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建築基準法改正はいつ?最新の施行日と変更点を年表で解説

建築基準法改正はいつ?最新の施行日と変更点を年表で解説

2025年の建築基準法改正は、2022年6月17日の公布と2023〜2024年の段階施行を経て、2025年4月1日に本格施行されました。工務店では4号特例の縮小、省エネ基準適合義務化、確認申請書類の増加への対応が必要です。この記事では施行日を年表で整理し、実務への影響を解説します。

この記事でわかること

  • 建築基準法の公布日・施行日と、2023〜2025年の段階施行の流れがわかる
  • 2025年4月の改正で何が変わったのか(4号特例縮小・省エネ基準義務化など)を理解できる
  • 工務店がいつまでに何を対応すべきか、行動の優先順位が身につく
  • 2026年以降の改正動向と最新情報のキャッチアップ方法を学べる

1. 2022〜2026年の建築基準法改正年表|いつ公布・施行された?

建築基準法改正の公布日・施行日など重要な日付をカレンダーで確認するイメージ

建築基準法・建築物省エネ法の改正は2022年6月に公布され、2025年4月1日から本格施行されました。(出典:国土交通省) ただし、この改正は一度にすべて施行されたわけではなく、2023年・2024年にも一部が段階的に施行されています。以下、3つの観点で経緯を整理します。

建築基準法改正の施行年表

時期

内容

工務店への影響

2022年6月17日

改正法公布

対応準備を開始

2023年4月

省エネ改修等の規制を一部合理化

改修提案・設計条件を確認

2024年4月

防火規定等を一部合理化

中大規模建築物の設計条件を確認

2025年4月1日

4号特例縮小・省エネ基準適合義務化

確認申請図書と設計フローを見直す

2026年4月1日

中規模非住宅建築物の省エネ基準引き上げ

事務所・工場等を扱う場合はBEI基準を確認

2026年11月1日

建築基準法施行令の改正(2026年9月16日公布)

型式適合認定・採光・防火避難・危険物の各規制を確認

公布日(2022年6月17日)と施行日(2025年4月1日)の違い

「公布」は法律の内容が正式に公表されたタイミングを指し、「施行」は実際にその法律の効力が発生し、現場での対応が義務になるタイミングを指します。公布から施行まで約2年10か月の準備期間が設けられました。

2023年・2024年に段階的に施行された内容

2025年4月の本格施行を迎えるまでに、以下のように内容が段階的に施行されてきました。(出典:国土交通省)

  • 2023年4月:省エネ改修を後押しする規制の合理化(省エネ改修に伴う高さ制限等の特例拡充、住宅の採光規定の見直しなど)
  • 2024年4月:防火規定の合理化(中大規模建築物の部分的な木造化を促進)
  • 2025年4月:省エネ基準の適合義務化、4号特例の縮小など構造規制の合理化が本格施行(あわせて建築士法も改正され、二級建築士の業務範囲が見直された)

「令和7年」表記との対応・早見表

行政資料や確認検査機関からの通知では、西暦ではなく元号で表記されることも少なくありません。誤読を避けるため、以下の対応表で確認しておきましょう。

西暦・元号の対応表

西暦

元号

位置づけ

2022年

令和4年

公布

2025年

令和7年

本格施行

2026年

令和8年

省エネ基準引き上げ・施行令改正

2. 2025年4月の改正で具体的に何が変わったのか

改正後の構造規制のもとで組み上げられる木造住宅の建築現場

2025年4月の本格施行では、建築確認の審査対象が広がり、あわせて省エネ基準への対応も必須になりました。主な変更点は次の3つです。

2025年4月改正の主な変更点

変更点

概要

4号特例の縮小

審査省略の対象が新3号建築物に限定され、多くの木造住宅が新2号に区分される

構造計算対象の見直し

木造建築物の壁量基準・柱の小径基準が見直され、審査書類が増加

省エネ基準の適合義務化

原則すべての新築建築物に省エネ基準適合が義務化

変更点①|4号特例の縮小と新2号・新3号建築物への再編(区分の見分け方)

これまで「4号建築物」として審査の一部が省略されてきた木造2階建て住宅などは、改正後「新2号建築物」と「新3号建築物」に再編されました。区分は木造・非木造を問わず、階数と延べ面積のみで機械的に決まります。(出典:国土交通省)

  • 新2号建築物:2階建て以上、または延べ面積200㎡超の建築物(審査省略の対象外)
  • 新3号建築物:延べ面積200㎡以下の平屋建て(引き続き一部審査省略の対象)
  • 判定のポイント:木造か非木造かは判定に影響しない。「2階建て以上、または延べ面積200㎡超」かどうかだけを確認すればよい

改正前は木造と非木造で基準が違い、木造は「2階建て以下・延べ面積500㎡以下」まで審査省略の対象だったのに対し、非木造はもともと「平屋・延べ面積200㎡以下」までしか対象になりませんでした。改正後はこの違いがなくなり、木造かどうかにかかわらず、非木造と同じ「平屋・延べ面積200㎡以下」という基準に一律で統一されています(出典:構造法規解説サイト)。そのため実質的に基準が厳しくなったのは木造住宅で、非木造建築物への影響はほとんどありません。

変更点②|木造建築物の構造計算対象の見直し

新2号建築物に区分される木造住宅では、壁量計算や柱の小径の基準そのものも見直されています。

  • 壁量基準の見直し:太陽光パネルの重量増などを踏まえ、必要壁量の算定式が変更
  • 屋根重さ区分の廃止:従来の「重い屋根・軽い屋根」の区分がなくなり、計算方法が統一
  • 審査対象の拡大:仕様上は省略可能な項目でも、新2号では審査が行われるようになった

結果として、これまで自社内の簡易チェックで済ませていた項目も、確認申請の審査対象として扱われる点を押さえておく必要があります。

変更点③|省エネ基準の適合義務化

2025年4月以降に着工する建築物は、原則としてすべて省エネ基準への適合が必須になりました。(出典:国土交通省)新3号建築物であっても、この省エネ基準適合義務は免除されません。

対象は住宅・非住宅を問わず原則すべての新築建築物で、省エネ基準への適合を示す関連図書の提出が必要です(仕様基準による場合は一部簡略化されます)。

3. 工務店はいつまでに何をすべきか|対応の行動指針

設計図面を確認しながら対応方針を検討するイメージ

「確認申請の窓口で急に区分の話をされて戸惑った」という担当者の声も聞かれます。施行はすでに始まっているため、案件ごとに今すぐ着手すべき事項として整理しておく必要があります。対応の期限・順序を次の3つの観点で整理します。

観点①|確認申請フローで変わった点といつから適用されるか

2025年4月1日以降に着工する案件から、新しい確認申請フローが適用されています。

  • 審査省略範囲の縮小:新2号建築物は構造・省エネ関連図書の審査が必須に
  • 添付図書の増加:壁量計算書・省エネ計算書などの提出書類が増える
  • 審査期間への影響:事前審査から確認済証交付までの平均処理期間は、改正前の3〜7日程度から2025年9月末時点で約39日に延びている(出典:日経クロステック)

案件を新2号・新3号どちらで進めるかは設計段階で確定するため、契約・着工スケジュールを組む前の早い段階で区分を確認しておくことが欠かせません。

観点②|工期への影響と今から準備しておくべきこと

審査書類の増加は、そのまま確認申請から確認済証取得までのリードタイムに影響します。工期への影響を最小限にするには、設計初期の段階で必要書類を揃えておくことが重要です。

  • 準備①:壁量計算・省エネ計算に対応した設計フロー・ツールへの切り替え
  • 準備②:確認検査機関への事前相談を、これまでより早いタイミングで実施
  • 準備③:施主・協力業者への説明資料(審査期間が延びる可能性がある旨)の用意

設計フローの具体的な見直し方は設計業務の効率化5つの方法でも解説しているので、あわせて参考にしてください。

観点③|経過措置はあるか(改正前後の物件の扱い)

木造建築物の壁量計算・柱の小径基準の見直しについては、経過措置が設けられています。令和8年(2026年)3月31日までに着工する案件は、現行の壁量基準のまま計算してよいとされています。(出典:全国宅地建物取引業協会連合会(国土交通省の確認申請・審査マニュアルを引用))

ただし、案件ごとの細かな扱いは条件で異なるため、断定せず確認検査機関に個別に確認することをおすすめします。

4. 2026年以降も改正は続く?今後の動向と押さえ方

最新の法改正情報・資料を確認するオフィスワーカーのイメージ

2025年4月の本格施行で、この改正が終わったわけではありません。押さえておくべき動きは次の3つです。

動き①|2026年11月1日施行の建築基準法施行令改正(最も直近の改正)

いま最も近い改正はこれです。国土交通省は令和8年(2026年)9月11日に「建築基準法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定し、9月16日に公布、2026年11月1日から施行されます。(出典:国土交通省 報道発表(令和8年9月11日))

今回は規制を厳しくする改正ではなく、住宅の円滑な供給を後押しするための合理化が中心です。内容は次の4点です。

2026年11月1日施行の改正内容

改正項目

内容

型式適合認定の類型の追加

構造耐力に係る規定の適合について新たな類型が追加され、資材の調達が難しいときに審査省略と個別確認を組み合わせやすくなる

採光規制の対象の合理化

児童福祉施設等のうち、利用者の滞在時間が短いなどの条件を満たす施設が規制の対象から除外される

防火上及び避難上の規制の対象の合理化

構造・用途・周囲の状況から避難上または防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める建築物が対象から除外される

用途地域における危険物の総量規制の合理化

安全上・防火上支障がない基準に適合した圧縮ガス・可燃性ガスの設備が規制の対象から除外される

採光・防火・危険物の具体的な基準は、別途国土交通大臣の告示で定められる予定です。自社の案件が緩和の対象になるかどうかは断定せず、告示の内容と所管行政庁・確認検査機関への確認をあわせて行ってください。

動き②|2026年4月施行の省エネ基準引き上げ(中規模建築物のBEI基準厳格化)

2026年4月1日からは、床面積300㎡以上2,000㎡未満の中規模非住宅建築物を対象に、省エネ基準がさらに引き上げられます。(出典:国土交通省)

これは2025年4月からの「原則すべての新築建築物が対象の省エネ基準適合義務化」(BEI1.0を満たせばよい制度)とは別の話です。2026年4月からの引き上げは中規模の非住宅建築物だけを対象に、用途別のBEI数値をさらに下回ることまで求める上乗せの基準です。

用途例

現行のBEI基準

2026年4月以降

工場

1.0

0.75

事務所・学校

1.0

0.80

病院・飲食店

1.0

0.85

BEI(Building Energy Index)は数値が小さいほど省エネ性能が高いことを意味します。工場・事務所を中心に手がける工務店・設計事務所は、この動きもあわせて把握しておく必要があります。

動き③|最新情報をキャッチアップする方法

建築基準法・建築物省エネ法は今後も段階的な見直しが続く見込みです。毎回検索し直す手間を減らすには、情報源を絞っておくことが近道です。

  • 国土交通省の特設ページ:改正の一次情報・審査マニュアル・計算ツールが随時公開される
  • 所管行政庁・確認検査機関からの通知:地域ごとの運用の細部を確認できる
  • 業界団体・設計事務所のセミナー:実務レベルでの対応事例を把握できる

一次情報を定期的に確認しておくと、制度改正のたびに慌てずに済みます。確認申請や間取り作成といった実務そのものを効率化する方法は工務店のAI活用ガイドでも解説しています。

5. 建築基準法改正に関するよくある質問

建築基準法改正に関する質問・相談をするビジネスミーティングのイメージ

Q. 建築基準法はいつ改正された?施行日と公布日はそれぞれいつですか?

公布日は2022年6月17日、本格施行日は2025年4月1日です。(出典:国土交通省)

Q. 4号特例とは何ですか?何が変わったのですか?

4号特例とは、木造2階建て住宅などで構造・省エネ関連の審査の一部を省略できた制度です。2025年4月の改正で対象が新3号建築物(延べ面積200㎡以下の平屋)に限定され、それ以外の多くの木造2階建て住宅は新2号建築物として審査省略の対象外になりました。

Q. 改正前に確認申請を出した物件はどうなりますか?(経過措置はありますか)

木造建築物の壁量基準については、令和8年(2026年)3月31日までに着工する案件は現行基準のまま計算できる経過措置が設けられています。それ以外は条件により異なるため、確認検査機関に個別に確認してください。

Q. 2026年以降も建築基準法・省エネ基準は改正されますか?

2026年以降の動きとして、次の3点を押さえておくと安心です。

  • 2026年11月1日:建築基準法施行令の改正が施行(2026年9月16日公布)。型式適合認定の類型追加と、採光・防火避難・危険物総量の各規制の合理化
  • 2026年4月:中規模非住宅建築物(床面積300㎡以上2,000㎡未満)を対象に省エネ基準がさらに引き上げられる
  • 住宅中心の工務店への影響:直接的な影響は限定的だが、事務所・工場等を扱う場合は要確認
  • それ以降の見通し:建築物省エネ法・建築基準法は継続的な見直しが予定されており、国土交通省の発表を定期的に確認しておくことが望ましい

法改正だけでなく、市場縮小や人手不足を含む経営環境も確認したい場合は、住宅業界の動向|データで見る伸びる企業の条件も参考にしてください。

Q. 次の建築基準法改正はいつですか?

2026年10月時点で最も近い改正は、2026年11月1日施行の建築基準法施行令の改正です(2026年9月11日閣議決定・9月16日公布)。型式適合認定の類型追加と、採光規制・防火避難規制・用途地域における危険物の総量規制の合理化が行われます。2025年4月の本格施行のように申請フロー全体が変わるものではなく、該当する建築物の規制を緩める内容が中心です。

6. まとめ|改正のポイントといつまでに何をすべきか

省エネ基準に対応した断熱材を施工する工務店の作業員
  • 建築基準法・建築物省エネ法は2022年6月17日に公布され、2023・2024年の段階施行を経て2025年4月1日に本格施行された
  • 2025年4月の改正では、4号特例の縮小(新2号・新3号への再編)、木造建築物の構造計算対象の見直し、省エネ基準の適合義務化が行われた
  • 工務店は案件ごとに区分(新2号・新3号)を早期に確認し、審査書類の準備・確認検査機関への事前相談を前倒しする必要がある
  • 2026年4月には中規模非住宅建築物の省エネ基準がさらに引き上げられ、改正の動きは今後も続く見込み

制度の全体像さえ押さえておけば、施主や協力業者から質問されたときも落ち着いて答えられるはずです。制度対応に追われる時間を減らせれば、その分を提案の質を高める時間に回せます。

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まどりLABO編集部|代表 野口雄人

代表 野口雄人の写真

東大卒の設計士・一級建築士・エンジニアなどで構成。間取りが大好きなオタクたちの集団で、間取りが好きなあまり間取りをAIで自動生成できるサイトを作成しました。代表の野口は東京大学・東京大学大学院で建築学を専攻しました。