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土地あり×3000万円で家を建てる|費用配分・スケジュール・補助金

土地あり×3000万円で家を建てる|費用配分・スケジュール・補助金

土地はある。あとは、ムダなく心地いい「ちょうど良い家」をどう形にするか。3,000万円という枠の中で、迷わず進めるための考え方と全体の流れをコンパクトに整理します。読み終えたときに「まず何から始めるか」がスッと決まるはずです。

この記事でわかること

  • 費用配分:本体70/付帯20/諸10+予備費の考え方
  • 進め方:会社選び→設計・見積→契約→着工→引渡し(目安7〜10か月)
  • 補助金・減税:省エネ系の要件とローン控除の併用注意
  • 30坪3〜4LDK:面積の決め方と“広く暮らす”コツ
  • 次の一歩

1.【土地あり】3000万円で家を建てる全体像(費用・流れ・補助金の要点)

木造住宅の骨組み・基礎から仕上げまでを横並びで示した建築現場の断面イメージ

前提

土地あり・総額3,000万円なら、30坪前後で3〜4LDKが現実的です。まずは費用の“型”を決めると迷いにくくなります。

最初に決めること(ブレ防止の3点)

  • 費用配分の型:本体70%(約2,100万)/付帯20%(約600万)/諸費10%(約300万)+予備費5%
  • 性能目標:断熱・窓・気密(C値)など光熱費に効く部分を先に決めます
  • 前提固定:外構・屋外給排水・地盤改良の要否は初回打合せで固定します

延床の目安(坪単価の「想定の幅」について)

  • 「想定の幅(価格帯)」とは、見積確定前に相場の上下を見込むための前提の幅です(確定値ではありません)。
  • 最近は坪単価80〜100万円以上も一般的です。検討の起点として坪70〜120万円の“想定の幅”を置くと、本体2,100万円でおよそ17.5〜30坪が目安になります(詳しくは章2の早見表をご覧ください)。
  • おすすめの優先順位は「性能>間取り>内装」です(※暮らし方や立地で前後します)。

進め方と期間の目安

  • 流れ:会社選び → 設計・見積 → 契約・申請 → 着工 → 引渡し
  • 期間:全体で7〜10か月が目安です(造成・インフラ引込・地盤改良があると延びやすいです)。
  • コツ:設計段階で設備の品番まで早期確定すると、申請差し戻しや在庫遅延を避け、スケジュールが安定します。

同時進行でやること(実務の勘所)

  • 見積:同条件で3社以上に依頼し、「含む/含まない」(地盤改良・外構・照明/カーテン・太陽光・エアコン・確認申請・仮設)を統一します。
  • 補助金:締切・事業枠があるため、着工時期と連動させ早めに申請します。
  • ローン:事前審査とつなぎ融資の要否を前倒し確認します。
  • 税務メモ:補助金はローン控除の「年末残高×0.7%」という計算式自体には直接入りませんが、受給分を自己資金に充当する結果として借入額が下がり、控除額が小さくなる場合があります(申告は税務署・税理士にご確認ください)。

ミニチェック

収納計画/回遊動線/将来仕切れる子ども部屋/ワークスペースの有無を確認します。

2. 3000万円で家を建てる費用内訳(土地あり)

テーブルに置かれた米ドル紙幣と各種コインの静物写真―費用・予算のイメージ

本体工事費70%の考え方

建物そのもの(基礎・構造・屋根外壁・内装・水回り・断熱/気密・配線配管・標準設備)です。断熱等級・窓仕様・耐震等級などの性能は先行決定し、形状の単純化/開口計画/水回り集約でコストを最適化します。過剰な装飾は後回しにし、生活満足に直結する項目へ集中投資します。

【知らないと損】注文住宅を安く建てるための方法を段階別に完全解説 【知らないと損】注文住宅を安く建てるための方法を段階... 注文住宅を安くする方法を段階別に要約。間取りや設備の工夫で建築費とランニングコストを抑え、コスパ良く理想の家を建てるポイントを解説。

付帯工事費20%の項目

建物外の必須費用です。

  • 外構(駐車場/門柱/フェンス)=目安100〜300万円
  • 屋外給排水/電気/ガス引込=各数十万円〜
  • 地盤改良=0〜数百万円(土質・杭方式次第)
  • 造成/擁壁・古家解体=条件次第で増大

→ 土地ありでも変動幅が大きいため、調査と「含む/含まない」明記が肝心です。

諸費用10%+予備費の確保

設計・確認申請・登記・印紙・火災保険・ローン手数料・仮住まい/引越し等です。現金支払いが多いため流動資金を確保します。物価変動や仕様変更に備え、予備費5%前後(例:150万円)を別枠で死守します。

坪単価70〜120万円の延床“早見表”(本体2,100万円を充当する想定)

坪単価

延床目安

備考

70万円/坪

約30.0坪

30坪・3〜4LDKのボリューム

80万円/坪

約26.3坪

26坪前後

90万円/坪

約23.3坪

23〜24坪

100万円/坪

約21.0坪

20〜21坪

110万円/坪

約19.1坪

19坪前後

120万円/坪

約17.5坪

17〜18坪

※実際は仕様・形状・地域相場で変動します。本表は面積検討の起点としてお使いください。

面積の決め方(順序)

①必要室数/収納 → ②動線(家事・回遊) → ③将来可変(子ども部屋の後仕切り等) → ④内装グレード。面積を削る前に性能と計画で体感を底上げします。

3. 補助金・減税の基礎(3000万円で家を建てる/土地あり)

薄いベール越しに手を取り合う二つの手のクローズアップ―支援・補助金のイメージ

国の省エネ系補助金の考え方と要件チェック

新築は「住宅省エネ2025キャンペーン」が軸。高断熱・高一次エネ性能の達成を前提に、区分(GX志向型、長期優良、ZEH水準など)ごとに上限額が設定され、登録事業者が申請代行します。年度途中でも予算到達で受付終了あり(区分別・先着)。性能仕様は設計初期に確定し、証憑(図・写真)を着工前から準備。

申請は登録事業者(グリーン住宅支援事業者)が行い、一般消費者は直接申請不可。

自治体の新築・子育て・再エネ補助金の探し方

まず市区町村サイトで「新築 補助金/省エネ/子育て」を検索。大都市圏は上乗せ制度が厚く、例:東京都の「東京ゼロエミ住宅」は認証取得で助成・不動産取得税の軽減も(年度要件に注意)。展示場や地元工務店は最新要綱・申請実務に詳しいため併用確認を。

詳しくは**東京都主税局(不動産取得税の減免)および東京都環境局(認証・助成)**の最新要項を確認。

住宅ローン控除など減税の基礎と併用可否

住宅ローン控除原則年末残高の0.7%・最長13年(区分で上限差)。省エネ区分が高いほど借入限度額が有利な年度もあります。補助金は取得対価から控除されるため、控除額に影響し得ます。補助→減税の順で資金計画を試算し、借入形態(単独/ペア)も併せて最適化。

申請タイミングと注意点(締切・交付決定前契約の可否)

申請は期間・枠管理が肝。交付申請(予約含む)は予算到達で順次締切、GX区分などは早期終了例あり。契約・着工前後の可否や必要工程は事業ごとに異なるため、登録事業者と工程表に申請マイルストーンを組み込み、証憑・図書の体制を事前に整える。

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4. 家を建てる流れ(3000万円×土地あり)

厚塗りテクスチャで描かれた三軒の家の抽象画―小から大へと進むプロセスのイメージ

"家づくりの流れ“早見表”

フェーズ

主な内容

施主側の要点

会社選び

ヒアリング・実例見学

同条件で3社、比較軸を統一

設計・見積

プラン/仕様/概算調整

坪単価の定義と含む/含まないを明記

契約・申請

請負契約/確認申請

契約書・約款・図書・工程・支払条件を整合

着工・中間

基礎〜上棟/中間検査

配筋・防水・断熱/気密等の記録・立会い

竣工・引渡

施主検査/完了検査

検査済証・保証書・竣工図の受領

※この章の各プロセスでは、**巻末の「含む/含まないチェックシート」**を併用いただくと、抜け漏れを抑えやすくなります。

情報収集〜建築会社選び:同条件で3社比較

要望(部屋数・収納・性能)と敷地条件・総予算をA4一枚に整理し、同条件で3社に依頼。見積の「含む/含まない」(地盤改良・外構・屋外給排水・照明・エアコン・太陽光・仮設)と坪単価の定義を統一。実例・アフター・補助金対応力も比較。

プラン作成・見積もり調整:坪単価の定義をそろえる

延床・仕様・性能(断熱等級/窓仕様・耐震等級)を先に確定。水回り集約・形状の単純化でコスト最適化。概算→VE提案→最終見積の順で詰め、**予備費5%**は死守。支払い時期(契約・着工・中間・竣工)も並行確認。

工事請負契約・建築確認申請:必要書類とチェック

契約書・約款・詳細見積・設計図書・工程表・支払条件の整合を確認。変更手続・遅延時の扱い・保証範囲を明文化。建築確認は図面一式等を提出し、確認済証の交付後に着工。

着工〜上棟〜内外装仕上げ:工程と施主確認ポイント

基礎→建方上棟→屋根外壁→内装設備。配筋・防水・断熱/気密・開口位置は写真報告や立会いで確認。中間検査の指摘は是正記録を残す。

竣工検査〜引渡し:保証・アフターの確認

施主検査で傷・作動・是正期限をチェック。検査済証・保証書・竣工図を受領。新築住宅は原則10年の瑕疵担保責任(保険または供託で履行確保)と定期点検スケジュール、連絡窓口を把握し、引渡し後の不具合対応を明確化。

5. まとめと次の一歩:3000万円×土地ありの家づくり

ティールの背景に三段のブロックと常緑の木が並ぶミニマルな3Dイメージ―成長と次の一歩

ここまでの結論はシンプルです。「予算配分の型(本体70/付帯20/諸費10+予備費)を守りつつ、“性能>間取り>内装”を“おすすめの目安”として**、同条件で3社比較」――これだけで失敗の芽はぐっと減ります。土地ありなら、30坪前後・3〜4LDKで断熱・耐震も十分に狙えます**。最後に“抜け漏れゼロ”で動き出すためのチェックと、次アクションをまとめます。

見積の“含む/含まない”チェック(地盤改良・外構・給排水・照明等)

見積比較は条件統一が命です。下の8項目は、各社で「含む/含まない」を必ず揃えてください。

□ 地盤改良(方式・数量・単価の明記)

□ 外構(駐車場・門柱・フェンス・ポスト・植栽の範囲)

□ 屋外給排水(道路本管からの引込・桝・負担金)

□ 屋外電気/ガス(引込・メーター位置)

□ 照明・カーテン(器具・レール・位置図)

□ 空調(台数・機種・配管スリーブ)

□ 太陽光/蓄電池(有無・容量・売電/自家消費の前提)

□ 確認申請・仮設費・諸経費(ネットワーク・仮設電気水道・清掃含む)

→ ここが揃えば、坪単価の定義差や後日の追加請求リスクを大幅に抑えられます。

※このチェックシートは章3の各プロセスでも活用いただけます。

おすすめの優先順位と予備費

性能(断熱・窓・気密・耐震):一次コストは上がっても、光熱費・体感の快適性で回収しやすいです。

間取り(動線・収納・将来可変):面積を増やす前に“計画”で広さを生みます。

内装(仕上げ・装飾):後から変えやすい領域です。迷ったら標準で一旦確定します。

予備費:物価・工法変更に備え総額の目安5%を別枠管理し、ここを削って契約しないようにします。

次のステップ

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まどりLABO編集部代表 野口雄人

代表 野口雄人の写真

東大卒の設計士・一級建築士・エンジニアなどで構成。間取りが大好きなオタクたちの集団で、間取りが好きなあまり間取りをAIで自動生成できるサイトを作成しました。代表の野口は東京大学・東京大学大学院で建築学を専攻しました。