失敗しない注文住宅の家づくりの進め方を一級建築士がこっそり教えます

執筆者:一級建築士 さりこち 住宅設計のプロとして、自らの体験も踏まえた「失敗しない家づくりの本音」をお届けします。
「住宅は人生で一番高いお買い物」と言われます。当然、そんな買い物で失敗などしたくないもの。絶対に成功させたいと思うのが普通なのではないでしょうか。
ですが同時に、「家は3回建てないと満足できない」とも言われます。果たして3回も家を建てた人がどれだけいるのかわかりませんが、多くの人は1回ではないでしょうか。そのため、初めての住宅購入が人生で一番高価な買い物、ということになりますね。
私自身は建築士として家の設計は何度も行っていますが、そんな私でさえ自宅の購入(設計)はとっても悩みました。
建築のことを知らない人なら、失敗してしまうのもしょうがない部分はありますが、人生で一番高いお買い物を少しでも成功させるために、自分自身の体験も踏まえ、建築士からアドバイスしていきます。
ステップ1:土台を固める(エリア選定と資金計画)

いきなり住宅展示場に突撃する人もいますが、数多くの専門用語、執拗な営業トーク、ゴージャスな住宅などに圧倒されてしまうので、まずは我慢です。
●大体の住みたいエリアを決める
家づくりの進め方の第一歩は、住みたい地域を決めることから始めましょう。ハウスメーカーを決めるのは一旦待ってください。
- 候補は広めに: ここではピンポイントで土地を購入したりする必要は無く、大体のエリアを決めれば構いません。○○駅か○○駅の周辺、○○市内ならどこでも、など、候補エリアが複数あったり、広かったりしてもOKです。
- 住みたいエリアを決める理由: 住みたいエリアが決まらないとハウスメーカー探しが進みませんが、今後のことを考えると一番重要な作業ともいえます。焦らず、じっくりと検討していきましょう。
- 注意: すでに土地を持っている人はこの作業は必要ありません。
●資金計画を立てる
住みたい地域を決めるのと同時に、予算計画を立てていきましょう。
- 同時進行の理由: 予算によって住みたい地域が変わることもあるので、同時作業がおすすめです。
- 事前審査: この時点では詳細まで詰めなくて良いですが、ローンの事前審査が不安な人はしておくと良いでしょう。ハウスメーカーの営業担当か不動産会社に声を掛けるとやってくれます。
- 専門家への相談: 将来のライフスタイルや資産形成も含め、ファイナンシャルプランナーなどの専門家にお金の相談をするのもオススメです。家造りは高額なだけに、その後の生活にも大きな影響を及ぼすので、あらゆるケースを想定しておくことが大切です。
ステップ2:住宅展示場でのイメージ作り

さて、いよいよみなさんお待ちかねの住宅展示場です。
見学で特典プレゼントなどの企画をやっている展示場も多いので、積極的に行って、受け取ってみましょう。ホームページなどでは「まだ行くべきでない」とされることも多いですが、私個人的には、この早いタイミングで行ってもいいと思っています。
- 住宅展示場へ行くことの重要性: インターネットや本で見るのと実物を見るのでは、全然感覚は違います。 ハウスメーカーの営業さんは最新の住宅事情に非常に詳しいです。建築になじみがない人も家づくりのイメージが湧き、空気感に慣れることができます。
- 【建築士の警告】:契約は結ばないこと。住宅展示場の家は展示用の「超高級住宅」で、中には3億円を超えるものもあります。そのようなものを見せられて気分が高揚し、舞い上がった状態で契約してしまうことは絶対に避けてください。
ステップ3:依頼先の選択肢を知る

注文住宅を建てるには大きく分けて「ハウスメーカー」「(地元)工務店」「設計事務所」の3つの選択肢があります。それぞれの違いをよく理解して検討することが大切です。
依頼先 | 特徴・強み | 注意点・コスト面 |
|---|---|---|
ハウスメーカー | 大量生産により価格を抑制。 高級マンション向けの設備を格安で導入できることもある。 大手ゆえの将来的な安心感がある。 | テレビCMなどの多額の営業費が住宅価格に上乗せされている。 |
(地元)工務店 | 地域密着型。 雪国の積雪対策や暖かい地域の風通しなど、地域の風土に合った家づくりにこだわる。 | 大量生産・大量発注ができないため、ハウスメーカーに比べると一棟あたりの単価は高くなりがち。 |
設計 事務所 | 建築士による特注。 芸術的で独創的な、世界に一棟だけのオンリーワンの家が完成する。 | 特注品であること、設計と施工で二重に利益がかかるため、一般的に費用は高額。 工事は別途発注が必要。 |
※補足:どの形態であっても、設計業務は建築士しかできないため、設計担当の建築士が付くのは同じです。
ステップ4:業者の決定と土地探し

方向性を決めたら、具体的な会社を選びます。ここで最も重要なのは、「土地を先に探さない」という点です。
●依頼する業者を決定する
よく土地探しから始めてしまう方がいますが、それは厳禁です。
- 理由: ハウスメーカーなど、会社ごとに規格があると、土地によっては希望の家が施工できない場合があるため、まずは会社を決め、その会社と一緒に土地を探す方がおすすめです。
- 選び方: ステップ1を振り返り、予算や住みたい地域を見ながら家を建てる業者を決めましょう。決めきれない場合は3社程度まで絞り、複数の見積もりやプラン作成サービスを利用して比較検討しましょう。
- 再審査: この段階で改めてローンの事前審査をしておくと今後の契約が安心できるでしょう。
●土地探しはハウスメーカーと一緒に
会社が決まったら、いよいよ本格的な土地探しです。不動産会社は土地を売ることだけが仕事ですので、土地の調査は実際に家を建てるハウスメーカーなど、決定した施工会社の人にも見てもらいましょう。
不動産会社が「いい土地」と言っても、希望する施工会社では工事作業ができなかったりする場合があります。以下がその例です。
- 構造上の制約: 木造なら建てられる土地でも、重量のある鉄骨住宅では杭基礎が必要になるケースがあります。
- 施工上の制約: 工場で部材を作るメーカーでは、クレーン車が入れない土地だと施工が難しいこともあります。
自分が希望する家が建てられないという事態を防ぐため、必ずハウスメーカー等、施工会社と一緒に探していきましょう。
ステップ5:土地選びの「落とし穴」を防ぐセルフチェック

土地探しは、施工会社に任せっきりにするだけでなく、ご自身でも以下の点に注意してください。
① 災害リスクの確認
まず、昨今は災害が多くなっていますので、各種災害について注意しておくのは必須です。
- ハザードマップ: 自治体のマップで土砂災害警戒区域や氾濫想定区域に該当していないかを確認しましょう。該当する場合は対策が可能かどうか考えてみましょう。
- 過去の記録: 都道府県のページなどでは河川の過去の氾濫記録などもあることが少なくありません。そのような情報や、地震の被害想定なども調べておくと、家づくりを慎重に、確実に進めることができます。
② 自治体のまちづくり計画のチェック
- 都市計画図: 将来的な道路の計画(都市計画道路)などをチェックします。
- 都市計画マスタープラン: 鉄道、道路、商業施設の計画などがわかることがあります。
- 立地適正化計画: 少子高齢化社会において、インフラ投資が集中するエリアか、今後どのような待遇を受ける地域になるかを確認しましょう。
ステップ6:着工と工事中の心得

土地を購入したら、いよいよ着工です。間取り決定や各種手続きから、申請、工事へと移ります。ここまでくると、後は施工会社が流れるように進めてくれることが大半です。
- 間取り打ち合わせ: 4回から6回くらいが一般的ですが、業者の「早く終わらせたい」というプレッシャーに負けず、絶対に妥協しないようにしましょう。外部の設計士に間取りのチェック、アドバイスを依頼するのもおすすめです。
- 現場訪問・写真: 工事中はなるべく現場に足を運び、写真を多めに撮っておきましょう。特に「隠蔽部(完成すると見えない部分)」は、工事中にしか確認できません。
まとめ

家づくりは土地から探すと非常に長い時間がかかります。関係者も多くトラブルも多いものですが、今回の手順はあくまで一例として、人生で一番高い買い物を失敗しないための参考にしてみてください。
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まどりLABO編集部|代表 野口雄人

東大卒の設計士・一級建築士・エンジニアなどで構成。間取りが大好きなオタクたちの集団で、間取りが好きなあまり間取りをAIで自動生成できるサイトを作成しました。代表の野口は東京大学・東京大学大学院で建築学を専攻しました。


