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注文住宅の要望書とは?理想の暮らしをカタチにする書き方と実例

注文住宅の要望書とは?理想の暮らしをカタチにする書き方と実例

注文住宅の打ち合わせで「どう伝えれば理想の家になるのか分からない」と悩む人は少なくありません。その答えの鍵となるのが「要望書」です。

家の間取りや設備だけでなく、“どんな暮らしをしたいか”を整理して伝えることで、後悔のない家づくりに近づけます。

本記事では、要望書の目的から書き方、テンプレート、注意点までを順に解説します。

読み終えるころには、今日からすぐ書き始められる実践的なイメージがつかめるはずです。

この記事を読むメリット

  • 要望書の基本と目的がわかる
  • 家族で意見を整理する手順が理解できる
  • テンプレートを使ってすぐ書き始められる
  • 設計士との打ち合わせをスムーズに進めるコツがつかめる

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1. 要望書とは?まずは目的を整理しよう

紙と鉛筆の画像1

注文住宅の「要望書」は、自分たちの理想の暮らしを設計士や工務店に正確に伝えるための資料です。

家の仕様を細かく指定するものではなく、「どんな時間を、どんな空間で過ごしたいか」を整理するツールと考えましょう。

要望書は「理想の暮らし方」を伝えるためのツール

要望書には、主に次の3つの役割があります。

目的

内容

情報共有

家族や担当者と理想の方向性を共有する

優先順位整理

「必須」「できれば」「不要」を明確にする

打ち合わせ効率化

初回から希望が伝わり、修正の手間を減らす

事前に整理しておくことで、プラン提案がスムーズになり、後悔の少ない家づくりにつながります。

「どんな家」よりも「どう暮らしたいか」を共有する

よくある失敗は、「リビング20畳」「収納3帖」といった数字だけの指示です。

これでは暮らしのイメージが伝わりません。

悪い例

良い例

リビング20畳

家族4人がソファでくつろげる広さがほしい

洗面所広め

朝の支度が重ならないよう、2人並べる広さ

書斎

静かに集中できるワークスペースがほしい

数字よりも、「誰が・どこで・どう過ごすか」を中心に書くと、設計士が意図を正確にくみ取れます。

打ち合わせ前にまとめておくと、伝え漏れや後悔を防げる

要望書は、初回打ち合わせ前に作成しておくのが理想です。

口頭だけでは伝え漏れが起こりやすいため、次のような点を整理しておきましょう。

  • 家族の意見を事前にすり合わせできる
  • 優先順位を明確にできる
  • 設計士が提案しやすくなる
  • 細かい要望も記録に残せる

要望書は「完璧な設計図」ではなく、家族の思いを共有するためのメモです。

まずは難しく考えず、「どんな時間を、どんな空間で過ごしたいか」から書き出してみましょう。

2. 要望書を書く前に整理しておきたいこと(準備編)

メモ用紙の画像

要望書を作成する前に、まずは**“間取り”より「自分たちの暮らし」**を整理することが大切です。

いきなり「収納を増やす」などと書くと表面的になりがち。

この章では、家族の動線や理想の過ごし方を整理し、要望書を作る前の準備となる5つのステップを紹介します。

ステップまとめ

ステップ

内容

ポイント

① 家族の一日の流れを可視化する

朝・夜・休日などの動線や生活リズムを整理

暮らしに合う動線を設計できる

② 今の住まいの不満点をリスト化する

収納不足・寒さ・音など現状の課題を洗い出す

改善点を明確にする

③ 理想の暮らし方を話し合う

家族それぞれの希望や過ごし方を共有

価値観のすり合わせができる

④ 家づくりのコンセプトを決める

家全体のテーマを明確にする(例:家事ラク・開放感・ペットと暮らす)

要望の軸をつくる

⑤ 間取り案をいくつか描いてみる

手書きやAIツールで複数パターンを試す

理想を形にして整理する

① 家族の一日の流れを可視化する(動線・生活リズム)

家族の行動を時間帯ごとに書き出すと、動線の課題が見えます。

時間帯

行動の例

改善ポイント

洗面→キッチン→玄関

渋滞を避けたい

リビング→お風呂→寝室

生活音を減らしたい

② 今の住まいの不満点をリスト化する(収納・音・寒さなど)

現状の不満を整理すると、改善すべき点が明確になります。

  • 収納が足りない
  • 冬にリビングが寒い
  • 階段が多く不便
  • 音が気になる

理由まで書いておくと、設計士が具体策を提案しやすくなります。

③ 理想の暮らし方を話し合う(誰がどこで、どう過ごしたいか)

  • 子ども:勉強や遊びの場所
  • 親:家事動線・くつろぎの時間
  • 全員:共有と個人の時間のバランス

休日や夜の過ごし方を話し合うと、暮らしの方向性が明確になります。

④ 家づくりのコンセプトを決める(例:家事ラク・開放感・ペットと暮らす)

これまでの整理をもとに、家全体のテーマを導きます。

例:

  • 家事ラク重視 → 動線・収納を工夫
  • 開放感重視 → 吹き抜け・採光を意識
  • ペットと暮らす → 床材や臭い対策を検討

⑤ 間取り案をいくつか描いてみる

理想が見えたら、簡単な間取りを描いて比較してみましょう。

AI間取りツールを使えば、短時間で複数案を試せます。

ここまでで、暮らしの整理と方向性が見えてきたはずです。

次の章では、実際にその内容を「要望書」として形にする方法を、テンプレート形式で具体的に紹介します。

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3. 要望書の書き方とテンプレート(実践編)

紙と鉛筆と電卓の画像1

ここからは、前章で整理した内容をもとに、実際に要望書を形にしていくステップです。

要望書は、家族の希望を具体的に整理して伝えるためのメモのようなもの。

テンプレートに沿って、暮らしのイメージを一つずつ書き出していきましょう。

紙やExcelなど、書きやすい方法で空欄を埋めていく形で進めていくのがおすすめです。

① 家族構成・敷地条件などの基本情報

まずは設計の前提となる条件を整理します。

項目

記入例

家族構成

夫(35)・妻(33)・子ども2人(6歳・3歳)

敷地条件

南向き/40坪/駐車2台希望

建物規模

2階建て・延床35坪程度

予算

建物2,800万円以内

→ 最初にこれをまとめると、プラン提案がスムーズになります。

② 家族ごとの生活スタイル・時間帯

家族の動きを整理すると、必要な動線や空間が見えてきます。

下のように「誰が・いつ・どこで・何をしているか」を書き出してみましょう。

時間帯

家族

空間

行動

気をつけたい点

夫・妻

洗面所〜キッチン〜玄関

出勤・登園準備

渋滞しない動線にしたい

キッチン〜リビング〜バルコニー

家事・在宅勤務

家事動線を短くしたい

夕方

子ども

玄関〜リビング〜勉強スペース

帰宅・宿題・遊び

親の目が届く位置にしたい

全員

リビング〜寝室〜浴室

食事・くつろぎ・就寝

生活音を抑えたい

休日

全員

LDK・庭

家族で過ごす・来客対応

片付けやすくしたい

③ 各部屋・スペースごとの要望

部屋ごとに希望を箇条書きでまとめましょう。

スペース

要望例

リビング

家族が集まれる広さ・明るい採光

キッチン

回遊できる動線・パントリー併設

洗面所

2人並べる広さ・収納多め

玄関

ベビーカー・靴を収納できる土間収納

→ 「◎必須」「○できれば」と優先度をつけると分かりやすいです。

④ 希望する設備・デザイン・収納

希望を簡潔にまとめます。

  • 設備:食洗機・浴室乾燥・床暖房
  • デザイン:ナチュラル・木目・ホテルライク
  • 収納:各部屋に1か所/屋根裏収納

→ SNSや雑誌の画像を貼ると、イメージが伝わりやすくなります。

⑤ 参考になる間取りや画像を添付

最後に、理想に近い事例を貼りましょう。

  • 気に入った間取りや写真
  • AIや手書きで作成した案

「このリビングの形が好き」「この収納の位置が便利」など、部分的な希望でも十分です。

この順で書けば、誰でも自然に要望書を作れます。

完璧を目指すより、自分たちの暮らしをそのまま言葉にすることが大切です。

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4. 要望書を書くときの注意点 5点

紙と鉛筆の画像2

要望書で大切なのは、“理想の家”を語ることではなく、“理想の暮らし”をどう実現するかを伝えることです。

「広さ」「形」などの条件だけでなく、どんな過ごし方をしたいのかを明確にすることで、設計士との意思疎通が格段にスムーズになります。

以下のポイントを意識してまとめてみましょう。

①数字より「暮らしのシーン」で伝える

数値だけの要望は、設計士に意図が伝わりにくいことがあります。

数字よりも「どんな時間を過ごしたいか」を具体的に伝えるのがコツです。

悪い例

良い例

リビング20畳

家族が集まり、ソファでゆったり過ごせる広さがほしい

洗面所広め

朝に2人並べるゆとりがある洗面台がいい

書斎3帖

静かに集中できるワークスペースがほしい

→ 暮らしのシーンを描くことで、設計意図に柔軟性が生まれ、より適した提案を受けやすくなります。

②優先順位をつける(必須/できれば/不要)

すべての要望を叶えるのは難しいもの。

要望ごとに「◎必須」「○できれば」「△不要」と印をつけるだけで、設計の判断がしやすくなります。

例:

  • ◎ パントリーがほしい(食品収納用)
  • ○ 吹き抜けリビング(あれば嬉しい)
  • △ 和室(不要)

→ 優先度を示すことで、予算配分や間取りの検討が効率的になります。

③家族全員の希望を一度は拾い上げる

最終決定は代表者が行うとしても、全員の意見を一度は可視化しておきましょう。

  • 子ども:遊び・勉強・収納スペース
  • 親:家事動線・くつろぎ空間
  • 高齢の家族:バリアフリー・段差の有無

→ あとから「言っておけばよかった」とならないよう、家族で共有の場をつくるのが理想です。

④間取り案は“たたき台”と捉える

AIや手書きで作った間取りは、完成形ではなく考えを整理するための材料です。

複数の案を比較しながら、「どんな暮らしに合うか」を話し合うのが目的です。

→ その過程で、自分たちが何を重視しているのかが自然と見えてきます。

⑤プロの提案を受け入れる柔軟さも大切に

要望書は“希望の整理メモ”であり、“設計図”ではありません。

経験豊富な設計士は、構造・採光・コスト面からより現実的な提案をしてくれます。

理想を共有しつつ、プロの意見を尊重する姿勢が、満足度の高い家づくりにつながります。

要望書は「伝えるための手段」。

完璧にまとめようとするより、家族の暮らしを正確にイメージしてもらうことを意識しましょう。

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5. まとめ|“暮らし”を描くことが理想の家づくりの第一歩

小さな家の模型と鍵の画像1

要望書づくりは、完璧な設計図を書くことではなく、家族の思いや暮らしの形を整理して共有することが目的です。

どんな時間をどんな空間で過ごしたいかを言葉にすることで、設計士との認識がそろい、理想の家が具体的に見えてきます。

小さな希望でもためらわず書き出し、“暮らしの軸”を大切に進めていきましょう。

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まどりLABO編集部代表 野口雄人

代表 野口雄人の写真

東大卒の設計士・一級建築士・エンジニアなどで構成。間取りが大好きなオタクたちの集団で、間取りが好きなあまり間取りをAIで自動生成できるサイトを作成しました。代表の野口は東京大学・東京大学大学院で建築学を専攻しました。