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頭金の常識を総まとめ|平均額・ゼロ購入・判断基準をわかりやすく解説

頭金の常識を総まとめ|平均額・ゼロ購入・判断基準をわかりやすく解説

マイホーム購入で多くの人が悩むのが「頭金をどれくらい入れるべきか」という問題です。昔は頭金が必須とされてきましたが、近年は頭金ゼロで購入するケースも増えています。本記事では、頭金の平均額やメリット・デメリット、ゼロで買う際の注意点をわかりやすく整理しました。読み終えたときに、自分に合った資金計画の方向性が見えてくるはずです。

この記事を読むメリット

  • 最新データから頭金の平均額がわかる
  • 頭金あり/なしのメリット・デメリットを整理できる
  • 自分に合った頭金の判断基準が見つかる

1. マイホームに頭金は本当に必要?

家の写真1

頭金の役割と昔からの常識

マイホーム購入では、かつて「頭金は必ず用意するもの」と考えられてきました。

頭金とは住宅価格の一部を自己資金で支払うお金のこと。

一般的な目安

  • 物件価格の2〜3割
  • 例:4,000万円の家 → 頭金800万〜1,200万円

最近「頭金ゼロ」が増えている理由

近年は、頭金なしで住宅を購入する人も増えています。その背景には以下の要因があります。

  • 住宅価格や生活費の上昇

    → 頭金を十分に貯めにくい

  • 共働き世帯の増加

    → 収入はあっても教育費や生活費に回る

  • 金融機関の商品拡充

    → フルローンやオーバーローンの登場で頭金なしでも借入可能

  • 税制優遇の利用

    → 住宅ローン控除により、ローン残高がある方が得と考える人も

  • 低金利の継続

    → 「貯めてから」より「早く購入して返済開始」が合理的と判断するケースが多い

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2. マイホーム頭金の平均はいくら?

家の写真2

全国平均と住宅購入費に対する割合

住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)」によると、頭金(手持金)の平均は住宅の種類によって異なります。

住宅タイプ

平均頭金

平均購入価格

割合

注文住宅(建物のみ)

約699万円

約3,861万円

18.1%

注文住宅(土地付き)

約473.8万円

約4,903万円

9.7%

建売住宅

約294.5万円

約3,603万円

8.2%

中古戸建住宅

約219.7万円

約2,536万円

8.7%

新築マンション

約1,188万円

約5,236万円

22.7%

中古マンション

約529.9万円

約3,041万円

17.4%

➡ 全体的には「購入額の1〜2割を頭金にする人が多い」という傾向です。

➡ マンション購入者は2割前後と高め、建売や中古戸建は1割未満にとどまります。

年齢・世帯年収・地域別のリアルデータ

  • 平均世帯年収:600〜700万円台が中心
  • 年齢層:40代以降は頭金割合がやや高い
  • 地域差:首都圏は金額自体は高いが、割合は地方と大きく変わらない

👉 世帯年収やライフステージに応じて、無理のない範囲で「総額の1割前後」を目安にする人が多いことがわかります。

実際に頭金ゼロで購入した人の割合

SMBC信託銀行 未来研究所「未来研レポート 2025.3」によると:

  • 30〜39歳の住宅購入者のうち 42.8%が頭金ゼロで購入
  • 頭金を「物件価格の1割程度」にとどめるケースも一定数存在

特に若い世代では「ゼロ〜少額」で購入する割合が高まっていることが確認できます。

➡ 金融機関もフルローンやオーバーローンに対応し、頭金なしでも融資可能な環境が整っています。

参考: 未来研レポート2025.3(SMBC信託銀行)

このように、かつては「頭金必須」が常識でしたが、現在は世代や環境により選択肢が広がっています。ただし、頭金ゼロは返済額や審査条件に直結するため、ライフプランに応じた判断が欠かせません。

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3. 頭金を入れるメリットとデメリット

紙と鉛筆

ローン審査・返済額・金利での違い

頭金を多めに入れると、住宅ローンの条件が有利になりやすいです。

メリット

  • 借入額が減る → 月々の返済額が少なくなる
  • 総返済額が減る → 利息負担が小さくなる
  • 金融機関の審査で有利になりやすい
  • 金利優遇を受けられる可能性がある

例:4,000万円の住宅を購入する場合

頭金

借入額

月々返済(35年・金利1.3%想定)

総返済額

0円

4,000万円

約11.9万円

約4,980万円

400万円(1割)

3,600万円

約10.7万円

約4,482万円

800万円(2割)

3,200万円

約9.5万円

約3,984万円

➡ 頭金を入れると、返済総額は数百万円単位で少なくなります。

貯金を頭金に使うリスクと柔軟性の欠如

一方で、貯金の大半を頭金に使うとリスクもあります。

デメリット

  • 手元資金が減り、病気・失業・教育費など不測の支出に対応しづらい
  • 引っ越しやリフォーム、家具・家電購入の余裕資金が不足する
  • 資産運用や他の投資に回せるお金がなくなる

👉 「頭金を入れすぎると生活資金が足りなくなる」こともあり得ます。

頭金を入れるべきか迷うときの判断基準

頭金の額は「多ければ安心」とは限りません。以下の基準で検討しましょう。

  • 毎月の返済額が収入の25〜30%以内に収まるか?
  • 生活防衛資金(生活費6か月分以上)を残せるか?
  • 教育費や老後資金の準備を圧迫しないか?
  • 頭金を増やすより、低金利の今買った方が合理的か?

つまり、頭金はローンを有利に進める「安心材料」ですが、すべてを投入する必要はありません。「借入額を減らす安心」と「生活資金を残す安心」のバランスを取ることが大切です。

4. 頭金ゼロでも家は買える?

お金の上に座る人

フルローン・オーバーローンの仕組み

頭金ゼロで購入する場合、多くは「フルローン」または「オーバーローン」を利用します。

  • フルローン:物件価格の全額を借り入れるローン
  • オーバーローン:物件価格+諸費用(登記費用・火災保険料・仲介手数料など)も含めて借り入れるローン

👉 フルローンは一般的になりつつありますが、オーバーローンは金融機関によって対応が異なります。

頭金ゼロ購入のメリット

頭金を入れないことで得られる利点もあります。

  • 資金を温存できる

    → 引っ越し費用や家具・家電、教育費などに回せる

  • 購入時期を早められる

    → 貯金を待たずにマイホームを確保できる

  • 資産形成を同時に進められる

    → 頭金に充てず、投資や貯蓄を並行できる

頭金ゼロ購入のデメリット

一方で、注意すべきリスクもあります。

  • 返済総額が増える

    → 借入額が大きいため、利息負担が高くなる

  • ローン審査が厳しくなる

    → 頭金を入れた場合に比べ、金融機関の評価は下がりやすい

  • 諸費用は別途現金が必要な場合がある

    → 諸費用込みのローンに対応していない金融機関も多い

  • 将来の売却で不利になる可能性

    → 借入残高>売却価格となり、住み替えが難しくなることも

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まとめ(例:4,000万円の家を購入する場合)

頭金

借入額

総返済額(35年・金利1.3%想定)

0円

4,000万円

約4,980万円

400万円(1割)

3,600万円

約4,482万円

➡ 頭金ゼロと1割ありでは、総返済額に約500万円近い差が生じます。

つまり、頭金ゼロでもマイホームは購入可能ですが、返済総額や審査条件に影響する点を理解しておく必要があります。「今すぐ買いたいのか、返済負担を軽くしたいのか」を基準に判断するとよいでしょう。

5. 頭金あり/なしの返済シミュレーション比較

考える画像

頭金あり(例:300万円)での返済イメージ

仮に4,000万円の住宅を購入し、頭金300万円を入れた場合のシミュレーション(35年返済・金利1.3%想定)は以下の通りです。

条件

借入額

月々返済額

総返済額

頭金300万円

3,700万円

約11.0万円

約4,607万円

➡ 借入額が減るため、月々の返済は1万円弱少なく、総返済額も数百万円単位で少なくなります。

頭金ゼロの場合の返済イメージ

頭金を入れずに全額ローンにした場合は以下の通りです。

条件

借入額

月々返済額

総返済額

頭金0円

4,000万円

約11.9万円

約4,980万円

➡ 頭金ありと比べ、総返済額に約370万円の差が生じます。

➡ 長期的に見ると、頭金ゼロは返済負担が大きくなります。

ライフプランごとに考える返済戦略

頭金を入れるかどうかは、単純に返済額だけでなくライフプラン全体で考える必要があります。

頭金を多めに入れるべきケース

  • 毎月の返済をなるべく減らしたい
  • 将来の教育費や老後資金を優先的に確保したい
  • 審査を有利に進めたい

頭金を抑える・ゼロにする選択が合うケース

  • 引っ越し費用や家具・家電に資金を回したい
  • 手元資金を投資や貯蓄に活用したい
  • 「早く購入して返済をスタートする」ことを優先したい

まとめ

頭金を入れると返済総額を抑えられますが、生活資金が不足すると安心して暮らせません。逆に頭金ゼロは初期負担を軽くできますが、返済負担は重くなります。

👉 最適な選択は「返済負担の軽減」と「生活資金の確保」のバランスを取ること。

👉 収入・貯蓄・ライフイベントを踏まえて、シミュレーションを複数試すことが重要です。

6. まとめ|頭金あり・なし、どちらがあなたに合う?

家の写真3

頭金を入れると

  • 借入額・返済総額が減る
  • 審査が有利になりやすい

頭金をゼロにすると

  • 生活資金を温存できる
  • 購入時期を早められる

一方で返済総額は増え、審査も厳しくなることがあります。

大切なのは「今すぐ買うのか」「貯めてから買うのか」を、ライフプランと照らし合わせて決めること。まずは返済シミュレーションを試し、自分に合った資金計画を立てるのがおすすめです。

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まどりLABO編集部代表 野口雄人

代表 野口雄人の写真

東大卒の設計士・一級建築士・エンジニアなどで構成。間取りが大好きなオタクたちの集団で、間取りが好きなあまり間取りをAIで自動生成できるサイトを作成しました。代表の野口は東京大学・東京大学大学院で建築学を専攻しました。